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2号機の電源線敷設が完了、5号機プールの冷却開始=東電

2011年3月20日8時35分

 [東京 19日 ロイター] 東京電力<9501.T>は19日、福島第1原発2号機での電源ケーブルの敷設を終えたことを明らかにした。4号機、5号機への電源復旧作業は続いている。5号機では使用済み燃料プールの冷却を開始した。

 同社は福島第1原発の冷却装置を動かすための電源復旧作業を進めている。2号機での電源復旧では1.5キロメートルのケーブルを敷設する作業を19日未明に開始し、午後1時半には終えた。今後は、接続の確認作業が必要で、東電の担当者は「受電は明日になる。検査には相当時間がかかる」と説明した。

 福島第1原発では、1号機と2号機、3号機と4号機、5号機と6号機の建屋がそれぞれ隣接し、電源をつなげることができる。電源が復旧したあとで、モーター、ポンプ、配管といった冷却装置の動作確認を行い、原子炉や燃料プールの冷却作業に入る。担当者は、1号機、2号機、3号機の原子炉の状況について、「燃料が損傷している可能性や否定できない」としているが、「原子炉の冷却については海水の注水が行われており、炉心は冷却されている状態にある」と説明した。

 定期検査中だった5号機と6号機の原子炉は安全上問題ない水位を確保しているというが、使用済み燃料プールの水温が通常よりも高くなっていた。このため、5号機では19日午前5時から残留熱除去系ポンプを起動し、使用済み燃料プールの冷却を開始。開始時点で68.8度あった水温は午前9時には67.6度に低下した。

 5号機、6号機では引き続き外部電源の復旧作業を実施しているほか、6号機では非常用ディーゼル発電機の修理が完了したとしている。5号機では燃料プールが30度程度に冷えたら、残留熱除去ポンプを使って原子炉を冷やす計画。6号機でも仮設の海水ポンプを19日中に使用できる予定で、残留熱除去ポンプをませるため、6号機でもプールの冷却が19日に実施できる見通しだという。

 5号機と6号機の建屋の屋根に直径3─7.5センチの穴を3箇所ずつ開けたという。「水素ガスがたまるのを防止する」(吉田薫広報部長)のが狙いで、18日に作業を完了した。

(ロイターニュース、浜田健太郎 編集:吉瀬邦彦)

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